【ドイツ観光】ハルツ山地のゴスラーに伝わるオットー1世と騎士の話
その昔、ゴスラーには、ランメルスベルクという鉱山があり、豊富な銀が取れた。銀の発掘は、町を大きな発展に導いたため、伝説が語られるようになった。
ハルツ山地に滞在するのが好きだった皇帝オットー1世は、ある日、従者であるリッター(騎士)ラムを狩りへと送った。リッター・ラムが野生動物の小道を見つけたものの、真冬であったため山には雪が高く積もっていた。ラムは樹木に覆われた高い山に登ることができたが、斜面は馬が上るには急だったので、ラムは馬を木に縛り付け、ひとり徒歩で先へ進んだ。
しかし、馬は非常に落ち着きがなく、雪の中、前足で土を引っ掻いていた。リッター・ラムが自分が仕留めた獲物を担いで戻ってきてみると、馬が引っ掻いたところは地表が露出しており、よくよく見てみると、露見した地面が銀色に輝いていることに気づいた。ラムはすぐに銀の塊をいくつか取り出して、皇帝に届けたのだった。
ラムから銀の塊を受け取ったオットー1世は、ハルツ山地にそのような銀山があるとは思っていなかったので大喜びだった。ラムへの感謝の気持ちを込めて、高価な金の鎖を贈った。それから多くの鉱夫たちがゴスラーにやって来て、ハルツ山脈で採掘を始めた。この知らせは急速に広まり、ますます多くの人々がゴスラーにやって来たという。
やがてこの小さな場所は町となり、発見者リッター・ラムの名前を永遠に称えるために、皇帝はこの山に「ラムの山」という意味の「ランメルスベルク」という名前を付けた。
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