【ドイツの伝承】願いが叶う〈黄金の輪〉| ニュルンベルク名物の噴水

ニュルンベルク

触れば幸せになれると言われる黄金の輪とは?

フラウエン教会前にある広場でその存在感を示しているのが、美しの泉と呼ばれる《シェーナー・ブルンネン》(Schöner Brunnen)だ。この4段構造の噴水は高さが19メートルあり、40体もの彫像が噴水の周りを飾っている。

美しの泉
写真:Wikipedia

美しい噴水の建設計画は、聖母教会をすでに寄付していた皇帝カール4世にさかのぼりる。 1385年から1396年の間に建てられ、ニュルンベルクの主要市場に独自の水供給を受けた。もともと使用されていた葦砂岩は天候の影響を非常に受けやすかったため、この噴水は6世紀にわたって広範囲に修復された。 20世紀初頭には、貝殻の石灰岩で作られたレプリカがオリジナルに取って代わった。古い噴水の風化した破片はゲルマン国立博物館に保存されている。

4列の数字、哲学、7つの教養、聖職者の代表を持つ4人の伝道者、世界史の9人の英雄とともに皇帝を選ぶ資格のある7人の選挙人、そして最後に7人の預言者を持つモーセが下から上に配置されている。

噴水を囲む芸術的な装飾がされた八角形の鉄柵は1587年に完成された。その鉄柵の南面に継ぎ目のない真鍮製の《金の環》がはめ込まれていているが、その輪にはちょっとした伝説がある。

昔、若い鍛冶屋の徒弟が親方に娘を嫁に欲しいと申し出たところ、親方は「継ぎ目の全く無い、鉄の輪が作れるようになったら娘をやろう」と言い残して旅に出てた。しばらくして親方が旅から戻ると、若い徒弟は既に親方の娘を連れて家を出てしまっていた。広場の泉の柵には継ぎ目のない見事な《金の輪》がはめられていたという。

この伝説から、《金の輪》をクルクルと回すと願い事が叶うという噂がひろがった。この《金の輪》は盗難にあったり、何度も取り替えられているが、ちょうど《金の輪》の反対側に取り付けられている《鉄の輪》は、1587年に取り付けられた当時のオリジナルが今も残っていることから、願いを叶えてくれるのはこちらの輪っかだという人もいる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました